Q&A:Scott Goodson 氏の新刊:"Uprising"について StrawberryFrogにて

Posted on 22nd Nov 2012 by Scott Goodson in Blog

ニューズウィーク紙のお勧め新刊リストにも掲載された、「Uprising: How to Build a Brand and change the world 」はアムステルダム、ニューヨーク、ムンバイにオフィスを構えるグローバル広告エージェンシー「StrawberryFrog」創設者のScott Goodson による新刊です。

彼は同書で、近年、大衆の声が一挙に社会を変えてしまうようなムーブメントの現象の背景を探り出し、マーケティングの専門家がそのムーブメントを効果的に利用する方法を提案しています。

- あなたは現代の暴動や騒乱の時代について取り上げています. このテーマをなぜ選んだのですか。それは広告業界にとって、どんな意味があるのでしょうか?

ロシアやシリア、ギリシャ、インド・・民衆が声を挙げて街道を練り歩く姿を新聞で毎日のように見かけます。米国で始まった「ウォール街を占有せよ」も世界的なムーブメントになりました。

非営利団体の"Invisible Children"が発表した"Kony 2012"はご存知でしょうか。このビデオはYouTubeで発表されてから、一週間少しで世界中で約1億人の人々に視聴されました。この映像の政治的なメッセージは置いておいて、マーケティングとして見た場合、広告を制作する際に、今我々が置かれている現状、そしてメッセージを発する先を考える上で、このようなムーブメントの存在は重要な事柄だと思うのです。

広告業界がこのようなテーマについて完全に答えを出せているわけではないと思います。

最近では、もしあなたが誰かを共感させることができたら、その人がその共感を自分の周囲の人々に積極的に伝えてくれます。そしてそれは、特にソーシャルメディアを通じて、あなたやあなたが所属する組織のブランドとなるのです。また、あなた自身が行動していなくても、広告やその他のツールを通じてあなたがなんらかの「よい事」に関係していれば、それは評価されるのです。

もし、抗議活動があなたのビジネスを直接の攻撃対象としていなければ、あなたの会社やブランドとその抗議活動はまったく別ものと認識されるのは当然です。

この本を通じて、私が広告業界に向けて声を大にして伝えたいと思っています。「社会における大きな課題や不安は、あなたと私も含めて、皆さんにとって新たなビジネス機会を生み出すのです。」

- 本書は、物議をかもすテーマを扱っていますね。読者からの批判は想定していますか?

本書が扱うテーマは、我々の世界で起こっている新たな流れであり、今後、我々ひとりひとりが直面する可能性があるムーブメントです。これは、権力を持つ人々にとっては恐ろしいことです。なので一部の人々は本書が広まる事は好まないかもしれません(シリアなどでは出版禁止になるでしょう)。

私が最も物議を醸す議論と考えているのは、企業や広告業界が特にこのようなムーブメントを起こす立場にいるということです。ムーブメントは常に高潔な目的を持って起こすものでないと思っています。商品を売るために起こしてもいいではないでしょうか?

ただ、企業がムーブメントを起こす際に、最低限、世の中を公正で持続的、そして面白くするアイディアでないといけないと思っています。良いムーブメントは企業が大衆と強い繋がりを生み出します。 そして、収奪的ではないですが、もちろん一定の範囲で収益に結びつける事ができます。

- 広告業界の立場からは、どのように捉えればいいのでしょうか?

私はこのムーブメントに対して、「うるさい人たちとは関わらず、頭のいたい問題に首を突っ込まずに安全な道を進もう。」と考える人が出てくる事を懸念しています。今のマーケティングの事業環境では、安全な道を進んでしまったら、あなたに対して立ち上がる人もいない、まったく無視される存在になってしまうでしょう。

ですから、この不安定なこの世の中において、ブランドはムーブメントに合わせて構築されるべきだと思うのです。

まずはあなたのブランドにとって何が価値なのかを見つけ出すことから始めます。あなたは何を支持していて、何を支持していないかを見つけ出すことです。これまでのマーケティングでは、基本的にはなにかに対して反対の立場を取る事は好まれませんでした。それは受け手によって賛同できない人がいたり、議論が分かれる余地があるからです。しかし、このような勇敢なマーケティングで成功した例は長い歴史でいくつも見られます(アップルが展開した「ビッグ・ブラザー」や画一性に強く対抗した広告などはその例でしょう)。そして現在、消費者はこれまで以上に、その価値と考え方を共有しているブランドを好むようになっています。

"Uprising"は我々が現在生きているこの世界で起きています。そして、あなたが個人や企業として、そのムーブメントを起こすきっかけをつくり、大きな力にしていくことができるのです。

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